キッチン会議

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キッチンは家族の交差点

コラム | 2017.1.24

このコラムでは幾度となくキッチンの配置について考えてきました。それはダイニングとキッチンが一体となり、さらにリビングもあわせて一室になっていくという日本の間取りの傾向とも関係していそうです。どうしてこのように現代の家は一室空間化しているのでしょうか。
キッチンの配置と合わせて一緒に考えてみましょう。まず過去キッチンの配置の意見を少しまとめてみます。

・オープンキッチンがいい人の意見
1 家族や友人と向き合いながら料理をしたい。
2 キッチンを開放的な空間にしたい。

・壁付けキッチンがいい人の意見
1 料理に集中したい。
2 多くの人が同時に料理に参加できる。

・2列配置がいい人の意見
1 人が来るので、シンクだけはオープンにしてパーティシンクにしたい。
2 準備や片付けを家族と一緒にするので、シンクやカウンターをオープンにしたい。

他にも「シンクやコンロはひとつでなく複数必要である」など様々な意見がありましたが、答えはひとつではなさそうです。家族の構成、年齢、そして暮らし方によって答えは違ってきそうです。ただ、それぞれ違いはあるもののどの意見にも家族や友人とのコミュニケーションの場としてキッチンを捉えていることが見受けられます。これらの意見を聞きながら、時代の変遷を感じざるを得ません。つい30年前までキッチンは家の奥にあり、食事をする場所とは隔離されていました。料理は家事のひとつであり、主婦の仕事は裏方でした。やがて女性も社会進出し、共働き家族も多くなり、家事労働の合理化が社会のテーマとなっていきます。そして今では少ない時間の中で家族のコミュニケーションをとるためにも、家事、特に料理や後片付けはみんなで一緒にするものへと変わってきます。

最も重要な視点は、家族のそれぞれが自分の時間を家の外に持ちはじめ、仕事以外にも自由な時間が増え、一人でいる時間をあえて家の中に求める必要はなくなりつつあることです。かつては「男子厨房に入るべからず」と言われたように、主婦にとってキッチンは自分の砦と考えられていた時代もありましたが、現代においてそうした感覚はなくキッチンはみんなが使う開かれたものになりつつあります。それぞれの人が仕事や学校のみならず、他にも様々なコミュニティを求め、自分のアイデンティティを表現する心地よい居場所を外に持ちはじめているとも言えます。そうして忙しくなる家族にとって、家は少しでも一緒にいる時間を大切にできるような広場のようになってきているとも言えないでしょうか。遅く帰ってきたお父さんや塾から戻ってきた子どもたち、家族それぞれ食事の時間帯も違います。それでも、食事をする子ども、テレビを観ているお父さん、家事をするお母さんが、違うことをしながらもひとつの空間で一緒に過ごしたいということなのでしょう。そうした広場の中でキッチンは家族が出会う交差点のようなものになっているのかもしれません。こうしてキッチンは暮らしの真ん中へと移っていきます。

こうした背景にともなって、間取り全体は変化していくのです。かつてのようにキッチン、ダイニング、リビングという部屋と機能を一致させて、それぞれ区切っていた間取りからすべてを一体にした一室空間へと現代の間取りは変化しつつあるのです。
家は広場のようになり、キッチンは家族の交差点になる。みなさんはどう思いますか。ご意見お寄せください。

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