キッチン会議

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インドネシア ジャカルタの建築家
アンドラ・マティンの家
アジアのキッチン3

コラム | 2017.7.25

ジャカルタの建築界を引っ張る50代のアンドラ(Andra Matin)、世界の建築の流れにも敏感でありながら熱帯特有のアジアの暮らし方を追求する建築家としても有名です。この家は彼の自邸です。リビングとダイニングには窓はありません。この国は夏には毎日スコールが降ります。大粒の雨が一気に降り注ぐその風景は圧巻です。まるで滝のような雨です。しかしこの地域の雨は垂直に降ります。風はともないません。吹き込んではこないのです。ですので、垂直の雨さえしのげれば、雨上がりのあとは冷たくなった空気が通り抜けるこのダイニングとリビングは快適な空間になるのです。自然を愛するインドネシアの人々、家の中にも緑を配して、つねに自然を感じれるように、外と内の境界線をどうデザインしていくかをテーマにしています。

上の写真はキッチン側からダイニングテーブルをとった写真です。ダイニングテーブルの奥はマットを床に直においてリビングスペースにしている。ダイニングテーブル手前にはコンロが据え付けてあります。これはパーティシンクならぬパーティ用コンロ。料理はバックヤードで行いお客さんへのもてなしや、ゆったりと過ごすためのキッチンとダイニングテーブルです。下の写真のように裏側にしっかりとしたキッチンがあります。実はさらにこの下の階にメイドさんが使うキッチンもあり、本格的な料理はそこでつくってこの階に持ち運びます。メイド文化がまだまだ一般的な家で、料理を作る場所はこのように大きくは2つに、またはパーティ用にさらにもう一つと複数あるのも普通です。パーティの時はスープを温めたりしてもてなすのです。

ダブルキッチンと大きなダイニングテーブル

木の扉の中に冷蔵庫が格納されている。右側には簡易的なキッチンがあり、左側がダイニングになっている

窓を持たない家、南国のリゾートなのでそんな暮らし方を経験した人もいるかもしれません。外と内の間に暮らしの豊かさがあるというこの南国の暮らし方。スコールがプールの上に降り注ぎ、激しく跳ね返る姿、そしてほんの一時間後真っ青な空が再び現れる南国の気候。虫の音がいつも聞こえる暮らし。太陽の光と雨をしのげればよいという原始的な建築の作り方です。ジャワの料理、気候風土と建築の関係、自然との距離、キッチンやダイニングのあり方など、近代建築という寒い国の建築を学んできた現代の建築の潮流に対してこうした南の国から生まれたおおらかさはとても新鮮です。キッチンやダイニングが自然の中にあるという暮らし方にとても共感します。
南国の家、こうしたキッチンやダイニング、みなさんはどのように思いますか。

ダイニングテーブルの手前にはマットを床に直においてリビングスペースにしている

アンドラ マティン Andra Matin
1962年 西ジャワ州バンドン出身。
1981年 バンドンのパラヒャンガン大学建築学部卒業。
1990〜98 年 Grahacipta Hadiprana 勤務。
1998年 事務所設立。
1999年  IAI賞(日本の建築学会賞に相当)を受賞
その後数々のインドネシアの章を獲得、住宅や美術館、モスクなど幅広く手がけ、インドネシアを代表する建築家

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